Home > 新燃岳

新燃岳の噴火

霧島山(新燃岳)での噴火活動に関する防災研究所附属地震予知研究センターおよび地震防災研究部門の関連分野による観測・調査・研究について紹介します.(最終更新日:2011年3月8日:初版掲載:2011年1月31日)

伊佐(吉松)観測室の伸縮計記録

伊佐観測室(鹿児島県姶良郡湧水町)は京都大学防災研究所の地殻変動連続観測点のひとつで,新燃岳から北西に約17kmの地点にあります.伸縮計などの地殻変動連続観測については,例えば,日本測地学会による CD-ROMテキスト測地学Web版地殻変動連続観測の項を参照してください.(宮崎観測所 寺石ほか)

最新の伸縮データ:1/13以降現在まで

上の図は,1月13日から2月28日まで,および2月1日から3月7日までの伊佐の伸縮計による地殻歪(ひずみ)変化.縦軸の正方向(図面の上方)への変化が地面の伸びの変化です.火口方向の伸縮計(E1,青色の線)は,29日以降,単調に伸びていますが,30日夜に,伸びが鈍っているように見えます.31日夜以降さらに鈍化傾向にあり縮み(26日の噴火活動開始以前のトレンド)に転じているようにもにも見えます.赤*で爆発的噴火,黒*で噴火・噴火継続(気象庁による)の発生時刻を表示しています.(図をクリックすると pdf が開きます)

2月1日から3月15日までの伊佐の伸縮計による地殻歪(ひずみ)変化.2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による歪地震動も記録している.

過去に掲載したデータ

2010年1月26日からの霧島山噴火に伴う歪変化(火山活動研究センター 石原教授)

Baytap-Gによる解析

上の図は,1月21日から2月1日までの伊佐の伸縮計による地殻歪変化と同じデータに対してBaytap-G(Tamura et al., 1991, GJI)によって地球潮汐成分を除去したもの.この解析によって,火山の活動による歪変化をより明瞭にとらえることができます.解析には,地殻変動一元化データベース(山口ほか,2010,測地学会誌)を使用しました.(宮崎観測所 寺石・山崎)

最初の速報

伊佐観測室の伸縮計に10の-7乗オーダーの明瞭な変化があらわれました.京大防災研では,伊佐をはじめ南九州地域で地殻変動連続観測を実施しています.詳細は宮崎観測所をご覧ください.(地震予知研究センター宮崎観測所・寺石)

1991年の微噴火活動の際の歪・傾斜変化

「1991年11月13日からの微噴火活動に関連する歪・傾斜の変化が京都大学防災研究所伊佐観測室で観測された。噴火直前の12日午後から16日まで3日半の間、ほぼ一定の速度で続いたが、この変動は地震が多発した大霧付近地下に幅6 km、上縁深さ1.2 km、下縁深さ4.8 kmのtensile faultを置くことで説明可能である。このモデルは井田他(1986)による応力場モデルと調和的である。なお大霧付近の最大の地震の深さは6kmであった(気象庁)。」 大谷ほか,1993年地球惑星科学関連学会合同大会C12-08アブストラクト図2より

現地調査報告

2011年新燃岳噴火調査.現地での噴火や被害のようすです.(地震防災研究部門 Mori・山田)

写真

写真

リンク

(順不同)