霧島山(新燃岳)での噴火活動に関する防災研究所附属地震予知研究センターおよび火山活動研究センターの観測・調査・研究について紹介します.(最終更新日:2011年2月4日:初版掲載:2011年2月2日)

2010年1月26日からの霧島山噴火に伴う歪変化

(文責:石原和弘,2011年2月2日.2月4日一部文言を修正)

京都大学防災研究所の伊佐観測室(鹿児島県湧水町吉松)の伸縮計により霧島山の噴火活動の推移に対応した歪変化が捉えられた。

  1. 1月26日午後から28日にかけての3回の顕著な噴火活動に対応して、霧島山の地下で圧力が急激に低下したことを示す階段状の歪変化が観測された。
  2. 1月28日23時頃から溶岩の火口底への噴出に伴うと考えられているB型地震が多発、それに対応してほぼ一定の割合で地下の圧力減少に対応する歪変化が観測された。B型地震が減少した1月31日午前からは歪変化がほぼ停止した。1月28日深夜から1月31日午前まで間に溶岩が急速に噴出したと考えられる。
  3. このような経過の後、2月1日朝からの強い空振を伴う爆発的噴火活動が始まった。

今後、歪変化の傾向が逆転すれば、地下深部から霧島火山の地下にマグマが上昇しはじめたと判断される。歪変化がほぼ停止し、噴火活動が数週間停止すれば当面の噴火活動は休止に向かうと推察される。

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