Home > 和歌山県北部の地震
和歌山県北部の地震
2011年7月5日19時18分に和歌山県北部でM5.4(気象庁暫定値)の地震が地震がありました.広川町,日高川町で震度5強を観測しました.建物等の被害が報道されています.被害にあわれた方にお見舞い申し上げます.
和歌山県北部の地震に関する防災研究所附属地震予知研究センターおよび地震防災研究部門の関連分野による観測・調査・研究について紹介します.(最終更新日:2011年7月6日:初版掲載:2011年7月5日)
- このページへのリンクは自由です.
- このページの図面や文章等を引用されるときは,URLを明記していただきますようにお願いします.
地質との対応
震源は,仏像構造線付近で,三波川変成岩類と四万十帯の境界にあたります.和歌山市周辺に三角形で分布する三波川帯(一部秩父帯)は微小地震発生域と対応しています.今回の震源付近では,仏像構造線は北あるいは北西傾斜の逆断層です.(地震予知研究センター 遠田)
下記の微小地震解析の図に,仏像構造線(青破線)と和歌山の三波川帯(薄緑)を加筆した図.
微小地震観測によるメカニズム解
微小地震観測のデータから,メカニズム解を決めました.(地震防災研究部門 大見)
今回の地震の初動極性によるメカニズム解.解析には震央から150 km 以内の観測点のデータを使用した.赤い◯は2011年1月から7月3日までの気象庁による震央分布.(図はクリックすると大きくなります.)
謝辞:京大・東大・Hinet・気象庁のデータを使用した.また作図には GMT を使用した.
緊急地震速報・強震波形
近傍(ほぼ震源直上)のKiK-net観測点(WKYH01)の波形.水平(東西)成分で1gを越える加速度が観測されています.また変位記録には明瞭な近地項はみえています.(地震防災研究部門 山田)
歪波形
地殻変動連続観測の観測点で,地震にともなった歪ステップや歪地震動が記録されています.(地震予知研究センター 森井・地殻変動連続観測グループ)
由良観測点で得られた歪波形(地面の伸び縮みを記録).歪ステップの主軸の方位は106.6度、歪量6.5x10-7乗でした.震央からの距離は9.5 km,震央の方位は54.1度です。
京大の微小地震観測網で観測された地震波形
京都大学で展開している微小地震観測網で観測された短周期地震波形です. 最新の波形は地動モニタを参照してください.
リンク
- 防災研究所地震予知研究センター
- 防災研究所地震防災研究部門
(順不同)