鳥取観測所


680-0004鳥取市北園1丁目286-2
TEL: 0857-29-0949
FAX: 0857-29-4480


本観測所は,昭和39年(1964年)に防災研究所附属鳥取微小地震観測所として設立された。翌年から始まった地震予知研究計画の下で,地震観測システムの充実および研究の推進が図られることとなった。わが国でも有数の長期間にわたる均質で精度の高い震源データと質のよい地震波形データを用いた研究が行われ,多くの成果が上げられてきた。平成2年(1990年)の防災研究所附属地震予知研究センターの設立に伴い,本観測所も同センター附属の鳥取観測所となり現在に至っている。

現在地震観測では,鹿野,大屋,氷上,三日月,泉,多里,久米の7観測点と鳥取の波形データを地震予知研究センターへ常時伝送している。鳥取の観測坑にはSTS-1型広帯域地震計も設置されている。これらの定常観測とは別に2000年鳥取県西部地震や2001年兵庫県北部の地震などでは,余震の臨時観測も行った。

地震観測のほかに,鳥取の観測坑とその近傍において,地磁気と地電流の連続観測が行われている。プロトン磁力計による全磁力の観測は昭和41年(1966年)以来続けられていて,本州西日本唯一の基準観測点としての役割を果たしている。また,山崎断層の近傍に位置する安富と大沢では,観測坑道内において伸縮計と傾斜計による地殻変動の連続観測が行われている。さらに,鳥取県,島根県,岡山県に分布する約20の温泉井戸において,水温や水位などの連続観測を鳥取大学と共同で行っている。これは,温泉水の時間変化と地震活動の関連を解明することを目的としていて,地震の短期予知に対する観測研究と位置づけられる。

本観測所の研究対象は,近畿地方西部から中国地方東部に至る地域の地殻活動の観測と解析であり,現在掲げている主な研究テーマは以下のとおりである。

  1. 山崎断層とその周辺域の地殻活動の観測と解析
  2. 山陰地域の地震活動の観測と解析
  3. 山陰地域の地殻深部比抵抗構造の解明
  4. 山陰地域の地下水の観測と解析

1999年3月までの旧観測所建物