ジャワ島中部の地震
インドネシアのジャワ島中部で5月27日、マグニチュード(M)6.3の地震があり、これまでに6,000人近い犠牲者が出ています。一昨年12月に起きたスマトラ島沖地震(M9.1)では、インドネシアを含む周辺国あわせて280,000人余の犠牲者が出ました。
スマトラ島沖地震は、海側と陸側のプレートの境界で起きた巨大地震でしたが、先月の地震は陸側のプレートの中で起きた、規模としては一回り小さい地震でした。日本もインドネシアと同様の地震環境にあり、東海地震や南海地震のようなプレート境界で起こる巨大地震と、1995年の兵庫県南部地震(M7.3)や一昨年10月の新潟県中越地震(M6.8)のように、プレートの中で起きる地震があります。
ジャワ島中部の地震では海岸近くから破壊が始まり、北東の町バントゥルの方向に進んだことが、地震波の解折からわかりました。破壊の進行方向では大きな揺れになることが知られており、進行方向の町や村では特に大きな被害を受けました。
近くにあるメラピ火山が噴き出す火山灰が軟らかい地盤を形成していたことや、その上に建てられた住居ももろいレンガ造りだったことなども被害を大きくした要因と言われています。
(梅田 康弘 ・京都大防災研究所地震予知研究センター教授)