(「京都新聞 2001年(平成13年)7月19日 木曜日」に掲載)
身体に感じないような小さな地震を微小地震と呼びますが、正確には「地震の大きさをあらわすマグニチュード(M)が1以上、3以下の地震」のことです。地図に描かれた6月の地震は322回で、すべて微小地震でした。そんなに多くないようですが、同じところで何回も地震が起きている所がいくつかあります。
例えば京都市の北東部、地図では京都の「都」という文字のすぐ上(北)にかたまって地震が起きました。左京区一乗寺付近で、滋賀県境に近い場所です。まず6月2日の午後5時55分、M2.6の地震が起きました。続いて、翌日の午前9時までに8回の地震がほぼ同じ所で起き、その後も6月15日までに合計13回の微小地震が起きました。地震の起こった深さはいずれも地下13キロメートルくらいで、花折断層に関連した活動でした。
この付近の花折断層は、地表近くでは修学院離宮から詩仙堂付近を通っています。この断層はまっすぐ垂直に立っていないで、東山の方に向かって深くなっていき、府県境あたりで、ちょうど今回地震の起きた深さになります。この付近では昨年1月から8月にかけても頻繁に地震活動があり、このコラムを始めるきっかけになりました。
今月8日の午前9時27分に、京都市、亀岡市、向日市などで身体に感じる地震がありました。向日市の西のポンポン山付近で起きたM3.3の地震でした。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)