2001年8月

(「京都新聞 2001年(平成13年)9月20日 木曜日」に掲載)

2001年8月の震央分布図

三峠断層帯のクローズアップ

三峠断層でM5.1の地震

 先月25日の夜10時21分頃、京都市や亀岡市、大津市などで震度4を記録する地震がありました。地震の大きさをあらわすマグニチュードは5.1(修正値)、震源は京都市と京北町の境界付近で深さ10kmでした。この付近は従来から小さな地震の多い所で、1994年6月にもほとんど同じところで、マグニチュード4.6の地震があり、京都市で震度4を記録しています。

 下の図に示しましたように、綾部市ー和知町ー京北町にかけて三峠(みとけ)断層帯があります。断層は一本ではなく、いくつもの断層が連なっていますので「断層の帯」と言う意味で何々断層帯と言います。今回の地震は三峠断層帯の南東の端で起きました。

 上の震央分布図には震源の決まった8月中の地震を、いつものようにすべて書き込みました。京北町付近は300回以上の余震が起きたため、真っ黒になっています。一方、断層を入れた下の図では、本震から24時間以内に起きたマグニチュード1.5以上の地震だけを書き込んであります。

 さて、三峠断層帯の和知町では1968年2月にマグニチュード4.8の地震があり、その後しばらくおさまっていたのですが、約半年後の8月18日にマグニチュード5.6の地震が起こりました。過去にこういう例もありますので、少なくとも今後半年ないし1年はこの断層帯の地震活動に注意する必要があります。8月はこの地震のため、地震回数が516回にもなりました。そのうち京北町の地震の余震は328回でした。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)