2001年12月

(「京都新聞 2002年(平成13年)1月17日 木曜日」に掲載)

兵庫県南部地震、あれから7年

 7年前の今日、午前5時46分52秒、明石海峡の直下14キロメートルという地下深いところで岩盤に割れ目が入りました。兵庫県南部地震の始まりです。割れ目は地上に向かって急速に伝わっていき、3秒後には野島断層を大きく破壊しました。ほぼ同時に、神戸市直下に向かって毎秒3キロメートルというジェット機の10倍もの猛スピードで進行していき、5時47分3秒ごろ、西宮市付近で止りました。この間わずか10秒ほどの出来事が兵庫県南部地震の実態です。

 しかし、それが6400余名の命を奪い、甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災を引き起こしたのです。この事実を忘れないため、そして地震に対する備えを怠らないためにも、このコーナーを続けていきたいと思っています。

 暮れの28日には滋賀県と福井県の県境付近でマグニチュード4.5の地震がありました。ここでは昨年の4月にマグニチュード4.4の地震が起きて以来、断続的に小さな地震が続いています。正月早々の4日には京都市の北、鞍馬山の直下でマグニチュード3.8の地震がありました。

 同じ4日には和歌山県の龍神村温泉の近くでマグニチュード4.1を含む8回の有感地震がありました。ここでも昨年の5月下旬から活発な地震活動が続いており、今後もしばらくはこの活動が続くと見られます。

 先月のこのコーナーで兵庫県南部地震のマグニチュードを7.4と書きましたが、正しい数値は7.3でした。訂正いたします。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)