2002年3月

(「京都新聞 2002年(平成14年)4月18日 木曜日」に掲載)

2002年3月の震央分布図

京都市の北、活動数は減る(アフガニスタンと台湾で被害地震)

アフガニスタンでは先月3日のマグニチュード7.3の地震に続いて、27日にもマグニチュード6.1の地震がありました。3日の地震は深さ250kmで起きましたが、27日の地震の深さはわずか10kmでした。大きな被害を受けたナハリンの街は震源の真上だったため、直撃を受けたと思われます。耐震性のほとんどない日干し煉瓦作りの家はひとたまりもなく破壊され、1000人を越す犠牲者が出ている模様です。

31日には台湾近海でマグニチュード7.3の地震が起きました。花連市で工事中のビルからクレーンが落下して5名の犠牲者が出ましたが、家屋やビルが崩壊して多くの犠牲者が出るといった大惨事は免れました。震源が花連市の東方沖44kmの海底だったこともありますが、アフガニスタンに比べると耐震性の高い家屋や構造物が多かった事が大きな理由だと思われます。

台湾では99年にもマグニチュード7.6の集集大地震がありました。このときは震源が台湾内陸部だったため、2300人以上もの犠牲者がでました。アフガニスタンも台湾も日本と同様に、複数のプレートがぶつかっているプレート境界にあるため、地震が多いのです。アフガニスタンや台湾で起きた地震も、よそ事とは思えません。

京都市の北の地震活動は続いていますが、数は減っています。神戸市の直下で3月21日マグニチュード3.1の地震がありました。この地震は95年の兵庫県南部地震の余震です。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)