(「京都新聞 2002年(平成14年)7月18日 木曜日」に掲載)
滋賀県では近年、大きな被害が出るような地震は起きていません。だいたい2,3世代、50年から100年ほど大地震がないと、何となく「この地には地震は起きない」と思われるようです。
1995年の兵庫県南部地震の前もそうでした。多くの人が「関西には地震が起きない」かのような感じを持っていたのも、1948年の福井地震(M7.1)以降、大きな被害地震がなかったからでしょう。
日本列島はプレート境界という変動帯に位置していますので、いつどこで地震が起きても不思議ではないのです。
滋賀県でも、100年近く前の1909年にマグニチュード6.8の姉川地震が起こり、35名の方が亡くなっています。さらにさかのぼると1662年にマグニチュード7.5の大地震が花折断層北部で起こり、600名以上の犠牲者がでました。
地震の被害は自分の住んでいる所で起きる地震によるものだけではありません。30年以内に発生する確率が50%と推定されている東南海地震で、彦根市付近での震度は5程度、場合によっては震度6弱と予想されています。地震に対する正しい知識を持って備えをしてほしいと思います。
6月22日に美山町でマグニチュード2.8の地震がありました。その他には特に目立った地震活動はありませんでした。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)