(「京都新聞 2002年(平成14年)10月17日 木曜日」に掲載)
9月は、京滋でマグニチュード3を越えた地震が4回、身体に感じる地震は9回(内京滋の地震では6回)ありました。通常よりやや多いようです。先月述べました「異常」かどうかを地震活動について見てみましょう。
2日の堅田付近の地震(M3.4)は大津市などで震度2でしたが、この地震に続いて13日と28日にも同じところでマグニチュード2.8と2.5の地震がありました。この付近では8月から小さな地震が起きています。
4日に伊吹山付近でマグニチュード4.1の地震があり、彦根市などで震度2を観測しました。この地震の起きた深さは50kmと、やや深いところでした。13日の今津町付近の地震(M3.8)も深さ17kmでした。地震の大きさにもよりますが、一般に深いところで起きた地震では余震があまり起きないことが多く、4日と13日の地震も余震は観測されませんでした。
20日には京都市と高槻市の境界にあるポンポン山の直下10kmでマグニチュード3.3の地震がありました。この付近も小さな地震のよく起きるところで、8月24日にもマグニチュード2.7の地震が起きています。
9月は、有感地震は多かったものの地震の総数は454回で、平均回数468回に比べると多くはありません。有感地震は多かったものの、特に地震活動が「異常」に高かったわけではないことをご理解いただけると思います。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)