(「京都新聞 2002年(平成14年)11月21日 木曜日」に掲載)
8月の震央分布図から地形もわかるように色付けしましたが、最初は平野と山の陰影を強調しすぎて地震を示す丸印がかえって見づらくなりました。背景になっている地図の陰影を和らげたり、印刷のトーンを落として、ようやく元通りの地震を強調する図にすることができました。
地形の上に地震をプロットしたことで、さっそく読者の方からご質問をいただきました。「琵琶湖東岸から鈴鹿山脈にかけての平野部に地震が無いのはなぜか」という内容でしたが、残念なことに「地震の起こらない理由」はよくわかっておりません。
逆に、丹波山地に地震が多いのは山地を構成している古成層が硬くてもろいため、ピシピシと壊れやすいと考えられています。裏返えせば、平野部を構成する岩体は壊れずにじわじわと褶曲しているとも考えられます。じっさいに、30年ほど前にそういう説も出されましたが定説にはなっていません。
京北町の地震活動は相変わらず活発で、10月中にこの付近だけで60回の小さな地震が起きました。今月の11日午前2時3分にもマグニチュード3.5の地震があり、京北町での震度は3でした。
その他は目立った地震活動はありませんでした。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)