2003年2月

(「京都新聞 2003年(平成15年)3月20日 木曜日」に掲載)

花折断層の地震発生確率

花折断層で大地震の発生する確率が、今月の12日に政府の地震調査委員会から発表されました。花折峠より北の断層と、さらにその北側の三方断層については寛文2年(1662年)にマグニチュード7.5の地震が起きていますから、当分大丈夫だろうということで発生確率は0%でした。

一方、南半分で地震が起きた証拠は、断層のトレンチ調査によって、今から2800年前から1400年前までの間と推定されています。長い間大地震が起きていませんので、発生確率は高くなりそうに思えますが、今から30年以内に大地震が発生する確率は0.6%と発表されました。

なぜこんなに小さな数値になるかといいますと、この断層で地震が起きるのは4000年から6000年に1回と、間隔が非常に長いにもかかわらず、今から30年以内という短い間に地震の発生する確率を計算しているからです。

繰り返し間隔が100年程度の南海地震とは違って、内陸の活断層での地震は発生間隔が数千年と長いため、地震発生確率はどれも小さい数値になります。ですから、0.6%という数値でも他の内陸の活断層と比べると「やや高いほう」の部類に入ります。

数値は小さいですが、安心してはいけません。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)