(「京都新聞 2003年(平成15年)8月21日 木曜日」に掲載)
宮城県北部では先月26日、震度6弱・6強・6弱の揺れを観測する地震が1日のうちに3回もありました。同県北部では5月26日にもマグニチュード7.0の地震があり、震度6弱を観測しています。5月の地震は海のプレートで、先月の地震は陸のプレートで起きました。
一方、近い将来発生すると予想されている「宮城県沖地震」は海と陸のプレート境界で起こる大地震です。メカニズムは南海地震と同じですが、繰り返し間隔は南海地震よりもずっと短く、平均で37年です。前回の地震(M7.4)は1978年6月でした。すでに25年たち、次の地震発生の危険性が指摘されています。
政府の地震調査委員会は、今後10年以内に想定マグニチュード7.5の宮城県沖地震が発生する確率は39%、30年以内では99%という高い数値を発表しています。
こういう状況下で、宮城県の人々は地震に対する意識が非常に高いようです。今回の地震でも、家屋の倒壊や負傷者は少なくありませんでしたが、犠牲者が出なかったことは、地震に対する意識の高さが背景にあると思われます。
27日01時55分、奈良県北部でマグニチュード3.5の地震があり、京都府加茂町で震度1を観測しました。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)