(「京都新聞 2003年(平成15年)9月18日 木曜日」に掲載)
読者から京都市の活断層について問い合わせがありました。これまでに何回か取り上げました花折断層は、鯖街道と呼ばれる国道367号に沿って,花折峠から京都市内にはいり、大原、八瀬をとおって吉田山の西まで続いています。花折断層はここまでですが、もうひとつの断層が銀閣寺から南へ、東山の山麓にそって東福寺、伏見稲荷へと続きます。これが「桃山断層」です。
京都市の西側には、嵐山の山麓から樫原をとおって向日市役所の東付近まで「樫原断層」があります。さらにその西側に、老ノ坂付近から南下し、光明寺の東をとおって長岡天満宮の南東付近まで続く「光明寺断層」があります。
このように京都盆地の活断層をおおまかに見ますと、東山と西山のそれぞれの麓を通る2本ずつの断層があり、これらを境に、東山や西山は隆起する一方、その中間は沈降しています。沈降部には隆起した東西の山々から土砂が流れ込み、平らな盆地が出来ます。ここに豊穣な堆積物と豊富な水に恵まれた京都市街地が形成されています。
京都周辺の活断層は国土地理院発行の「都市圏活断層図」1/25,000に詳しく記載されています。8月の地震回数は312回と、平均430回に比べると少なめでした。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)