2003年10月

(「京都新聞 2003年(平成15年)11月20日 木曜日」に掲載)

余震の余震

10月8日の23時35分に、神戸市長田区の直下で、マグニチュード4.2の地震がありました。この地震は兵庫県南部地震の余震と見られています。9年近くたってもまだ余震があるのか、と思われるかも知れませんが、大きな地震の場合、その余震は10年や20年ではなくなりません。

余震は本震直後1日の数に対して、10日後に10分の1、100日後には100分の1というような割合で減っていきます。

本震直後の1日に、身体に感じる余震が50回あったとしますと、10日後には1日に5回、100日後には0.5回、つまり2日に1回起こる勘定になります。10年経っても3カ月に1回くらいは有感地震が起こります。

ところで、この余震の直後から、ほぼ同じところで身体に感じない小さな地震がたくさん起こりました。23時35分の地震は兵庫県南部地震の余震ですから、それに続く地震は「余震の余震」ということになります。数が多いため上の図では真っ黒になっていますが、その数は27回でした。

10月13日には滋賀県高島町の直下15kmのところでマグニチュード3.2の地震がありました。この地震にも10回ほどの身体に感じない余震が続きました。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)