(「京都新聞 2003年(平成15年)12月18日 木曜日」に掲載)
5月26日に起きたマグニチュード(M)7.1の「宮城県沖の地震」、7月26日に起きたM6.4の「宮城県北部の地震」、そして9月26日に起きたM8.0の「2003年十勝沖地震」と、今年は日本で3回も被害地震がありました。
この中で「2003年十勝沖地震」は気象庁が命名した地震の名前ですが、残るふたつについては、気象庁は名前をつけていませんので、正式名称ではなく通称名です。通称名のほうは地名の次に"の"を入れているのが特徴です。
北海道十勝地方では半世紀前に「1952年十勝沖地震」(M8.2)、宮城県では四半世紀前に「1978年宮城県沖地震」(M7.4)と、それぞれ大地震に見舞われています。さらに次の地震が30年以内に起こる確率が、それぞれ60%、99%と高いことも住民の地震に対する意識を高めています。地震被害が比較的少なかった背景には、こういった意識の高さがあると思われます。
今月の京滋の地震回数は288回でした。上の地図の中に示される京滋の月平均地震回数は400回余りですが、今年の3月以降は300回程度で推移しており、地震活動の低い状態が続いています。
なお、マグニチュードはMagnitude の頭文字を取ってMと記します。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)