(「京都新聞 2004年(平成16年)6月17日 木曜日」に掲載)
5月19日亀岡市の南西部で、マグニチュード3.6の地震が起きました。4月16日に起きたマグニチュード3.6の地震とほとんど同じところです。この地震の余震が続いたため、5月の地震数は331回になりましたが、平均回数410をまだ下回っています。丹波山地での地震活動は今なお静穏期にあると言えます。
このような静穏期はこれまでに何回もありました。1年余りの静穏期のあとは、マグニチュード4クラスの地震が起きて、元の地震回数に戻るのが通常です。
1995年兵庫県南部地震の前にも丹波山地では地震の静穏期がありましたが、前年の6月頃から活発化に転じました。このような例は1回だけですので、今回の静穏期が必ずしも大地震につながるとは言えません。
しかし長期的に見ますと現在は西南日本全体が地震の活動期ですので、私達は丹波山地における静穏期から活動期への戻り方に注目しています。
私共の得た地震情報はホームページで公開しています。
http://www.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/main/HomeJ.html
「近畿北部における最近の地殻活動」「リアルタイム地震情報」をご覧ください。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)