2004年6月

(「京都新聞 2004年(平成16年)7月15日 木曜日」に掲載)

琵琶湖西岸断層帯 予測震度

琵琶湖西岸断層帯で30年以内にマグニチュード7.8の地震が発生する確率は最大で9%と、政府の地震調査委員会が昨年の6月に発表しました。続いて先月、同委員会は、この地震が起きた場合の各地の予測震度を発表しました。

震度の予測にあたっては、経験則をもとに割り出す従来の方法と違い、コンピュータの中で地震を発生させ、各地に到達する地震波形を計算する新しい方法を採っています。その計算波形をもとに各地の震度を割り出しているのです。

発表された予測震度を見てみますと、今津・大津・京都・草津及びその付近はすべて震度6弱以上、所によっては震度6強と予測されています。震度6弱でも、人は立っているのが困難です。家具は転倒し、家の壁や柱も破損、山崩れなども発生します。震度5強はさらに京滋の広い範囲に及ぶと予測されています。

震度には地盤も大きく影響するため、遠く離れた大阪湾の埋立地の一部でも震度5強になる場合があると予測されています。

6月の京滋の地震回数は317回と低調でした。昨年3月頃からの丹波山地の地震活動の静穏期は依然続いているものと見ています。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)