2004年7月

(「京都新聞 2004年(平成16年)8月19日 木曜日」に掲載)

最後の被害地震から174年

今から174年前の1830年8月19日、京都市の西北西、愛宕山付近でマグニチュード6.5の地震が起きました。

「御所破損、二条城本丸はじめ諸建物の潰れ多く、地割れありて泥を噴出す。西本願寺は1尺(30cm)傾き、冷泉家の土蔵4潰れ」と日本被害地震総覧に記されています。地震が起きたのは午後4時頃、夏の暑い夕方だったようです。地震による死者は京都で280人、亀岡で4人でした。

以来170年余り、京都に被害地震は起きていません。しかし、日本被害地震総覧によりますと、京都に被害を与えた地震は西暦827年以降11回起こっています。平均すれば100年に一回の割で、都は被害地震に遭っていることになります。

被害地震の空白期間170年余は、平均間隔をはるかに超えています。

毎月の地震分布でもわかりますように、京都周辺ではつねに身体に感じない地震がたくさん起きています。このことは、この地域には大地震を起こす潜在的な能力があることを示しています。

4月と5月に起きた亀岡市南西の地震で、一時増えた地震回数は、7月は311回と再び減少しています。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)