(「京都新聞 2004年(平成16年)9月16日 木曜日」に掲載)
9月5日19時07分、紀伊半島の南東沖100kmの海底でマグニチュード6.9の地震、続いて23時57分にマグニチュード7.4の地震が発生しました。
京滋では、ゆっくり小さな揺れが次第に大きくなって、長く続きました。このような揺れ方が紀伊半島沖や四国沖で起きる地震の京滋での揺れ方の特徴です。
次の南海地震が起きた場合も、同じような揺れ方が想定されますが、想定南海地震のマグニチュードは8.4です。揺れの大きさも揺れが続く時間も、はるかに大きく長いと予想されます。
マグニチュード7.4に対して8.4のエネルギーは30倍になります。例えて言いますと、マグニチュード7.4の地震は大阪府の面積(1900平方キロメートル)よりやや小さめの面積の断層が2mずれる程度、マグニチュード8.4は近畿2府5県を足し合わせた総面積(33100平方キロメートル)の断層が5mずれる大きさです。
南海地震はいかに巨大かがわかります。揺れもそれに比例して大きく長く続きます。5日の地震の体験を生かしての備えが必要です。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)