2004年10月

(「京都新聞 2004年(平成16年)11月18日 木曜日」に掲載)

新潟県中越地震

10月23日17時56分、新潟県中越地方で、マグニチュード(M)6.8の地震が発生しました。その7分後にM6.3、15分後にはM6.0の地震、さらに38分後にM6.5の地震と、立て続けに大きな地震が発生しました。震源地では震度7と震度6強の強い揺れに襲われ、甚大な被害が出ています。

この地域は東西からの強い圧縮力によって、魚沼丘陵や六日町盆地のような、丘陵と盆地が交互に縦縞のように並んでいます。丘陵と盆地との間にはいくつもの断層がありますが、地表は厚い堆積層に覆われていますので、見えない断層もあると思われます。

大学などの観測による詳しい余震分布を見ますと、地震を引き起している断層はひとつではなく、3つも4つもあることがわかりました。しかもそれぞれの断層が、同じ面上に並ばず、離れたところで互いに直交する方向に出来るなど、複雑な破壊をしているようです。

地震によって新たな断層が出来ている可能性も示唆されており、大きな余震が続くのもこのためではないかと思われます。

京滋の地震回数は4月以降、少し増えていましたが、9月からは再び減少傾向にあり、10月の回数は258回でした。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター長)