2005年5月

(「京都新聞 2005年(平成17年)6月19日 木曜日」に掲載)

日本海の津波

梅雨が明けますと海辺に出かける機会が増えます。スマトラ沖の大津波の惨状は記憶に新しいところですが、海辺では津波に対する注意が必要です。

津波を起こす地震のほとんどはプレート境界の大地震です。日本のプレート境界は太平洋側だけだと思われがちですが、日本海側にもプレート境界があります。1983年日本海中部地震や、1993年北海道南西沖地震など、日本海側のプレート境界で津波を伴なった地震が起きています。

海辺で揺れを感じたら、すぐに高いところへ避難しなければいけません。とっさの場合にも対処できるよう、予め非難場所や逃げ道を決めておく必要があります。

揺れを感じないような遠い地震でも津波が襲ってくることがあります。気象庁は、津波のおそれのある地震が発生した場合は3分以内に津波情報を出します。海辺では携帯ラジオの持参など、地震や津波情報を得る方法も考えておきましょう。

京滋の5月の地震活動は353回と、3ヶ月連続して微増しています。この調子で小さい地震が少しずつ増え、地殻のストレスも徐々に開放されるのが望ましいのですが、予断は許されません。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター教授)