2005年10月

(「京都新聞 2005年(平成17年)11月21日 月曜日」に掲載)

震度計

震が発生しますと、直ちに各地の震度が気象庁から発表されます。震度はもともと人間が感じる揺れの大きさのことですから、かつては各気象台の職員が感じた震度を発表していました。

気象台はひとつの府県に数ヶ所しかありませんから、被害地震が発生しても最寄りの気象台までの距離があると、小さめの震度しか発表されず、災害対策に遅れをとることがありました。

これを改善するため、気象庁は人間が感じるのと同等の揺れを計測できる「震度計」を開発し、現在全国の3800地点にそれを配置しています。各地の震度分布がたちどころにコンピュータ画面に表示され、災害対策にも活用されるようになりました。

今月11日午後4時40分頃、京都美山町の北東部、滋賀県境に近いところでマグニチュード3.4の地震がありました(図中の赤丸)。震源は京都府だったにも関らず滋賀県下で多くの震度情報が発表されたのは、滋賀県側に震度計が多く配置され、逆に震源に近い京都府側は山間部のため配置が少なかったからです。

10月の京滋の地震数は301回でした。今月11日の地震には余震もなく、京滋全体の地震活動は現在も低調です。

(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター教授)