(「京都新聞 2005年(平成17年)12月15日 木曜日」に掲載)
建物の耐震強度を偽装したため、震度5強の揺れでも倒壊する恐れのあるマンションなどが大きな社会問題になっています。偽装は論外としても建物は年数とともに劣化し、耐震性は低くなります。そのため多くの自治体では、いま住んでいる家屋の耐震診断を受けるよう勧めています。
ときどき起こる有感地震による揺れを観察していても自分の住まいが揺れやすいかどうかをチェックできます。例えば、ある地震で自宅付近の震度が3と発表されたのに、家の棚の食器がガタガタ大きな音を立てたり、すわりの悪い置物が倒れるようでしたら、震度4に近い揺れと言えましょう。何らかの理由で揺れを大きくしている可能性があります。
先月11日の地震による揺れはいかがでしたか。昨年9月5日に起きた紀伊半島南東沖の地震(M7.4)による京滋の揺れは震度2〜4でした。各地の震度は気象庁のホームページで公開されています。こうした地震での経験をきっかけに、住まいの耐震性を高める意識を持ちたいものです。
京滋の地震数は333回と先月に比べ、増えてはいますが長期的には横ばい状態です。
(梅田康弘・京都大防災研究所地震予知研究センター教授)