阿武山観測所


569-1041大阪府高槻市奈佐原944
TEL: 072-694-8848
TEL: 072-694-8849
FAX: 072-692-3715

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沿革・施設

阿武山観測所は,昭和5年(1930),地球物理学教室の実験室が市電により精密観測に支障をきたすようになったため,その移転先の一つとして,原奨学金をもとに建設された。昭和29年(1954),教授定員をもつ理学部附属教育実習施設となった。

開設と同時にウィーヘルト地震計(1トン)が設置された。その後も各種の地震計の試作・改良が行われ,佐々式大震計などが追加された.広帯域・広ダイナミックレンジの観測体制により,世界の一級地震観測所として評価されてきた。観測結果は,昭和27年(1952)から平成8年(1996)まで,Seismological Bulletin, ABUYAMAとして世界中の地震研究機関に配布されてきた。

昭和46年(1971)には,総延長250mを越える観測坑道が設置され,地殻変動連続観測や坑内における高感度地震観測が開始された。

大正7年(1918)年に理学部で開始された高温高圧実験の装置は阿武山観測所に移設され,科研費等により高圧装置等が次々に追加され,高温高圧下での岩石の変形・破壊実験等が行われた。

昭和40年(1965)から地震予知計画がはじまり,微小地震研究観測および極微小地震移動観測班(後に総合移動観測班に拡充)新設のための定員増がはかられた。昭和48年(1973),理学部附属地震予知観測地域センターが設置され,その後,昭和54年(1979)には,教授1,助教授1,助手6,技官3,事務官1の施設となった。平成2(1990)年6月,防災研究所所属の部門・観測所と統合され,現在に至っている。


観測・研究対象

主な観測・研究対象は,地殻変動と地下水である。地震や地殻活動に関連した現象を検出するための観測およびその検出方法の開発を行っている。外部の影響を出来るだけ避けるために,観測坑において,地殻変動を表す歪変化やその影響を受けて変化する湧水量の変化を伸縮計,傾斜計および湧水量観測計などを用いて観測している。兵庫県南部地震の前には,約半年前から,通常の変動幅を超える異常変化が検出された。しかしながら,地震に関連した現象か,あるいは,降水量の経年変化による影響かはまだ結論が出ていない。2003年からは,兵庫県南部地震の前とは,異なったセンスの新たな異常変化が進行しているが,その原因について調査を続けているところである。


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阿武山観測所写真紀行